全仏オープンが閉幕した翌日、6月14日。東京オリンピックへの参加条件の基準となる世界ランキングが発表されました。ですが、厳密にはランキングだけで代表が決定するわけではありません。
このページではオリンピックのテニス競技に出場するための条件について改めてお伝えするとともに、本日までにオリンピック出場を表明している選手、欠場を表明している選手について最新情報をまとめていきます。
オリンピックテニス競技へ出場する条件
ITF(国際テニス連盟)公式ホームページでオリンピックテニス競技の資格について掲載があったので、ご紹介していきます。
テニス競技各種目共通
まず、オリンピックに出場するすべての選手は、プレーする資格があると見なされるために、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 代表する国のテニス協会と国際テニス連盟に所属していること。
- 「デビスカップ」「ビリー・ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ)」などの大会で、国の代表として十分な回数出場していること。
- 男子は14歳以上、女子は15歳以上であること。
これを満たしていない場合は、オリンピックに出場する選手として不適格であると判断されることとなります。
また、この上でオリンピックテニス競技において各国に設けられた人数制限・選手枠の条件があります。
【各国に与えられた選手枠の上限】は、男女それぞれ6人ずつ、合計12人まで指名することができるとしています。
さらに種目ごとの人数制限もあり、シングルスでは最大で男女各4人、ダブルスでは最大で各種目2組となります。
シングルス
具体的に見ていきます。
オリンピックテニス競技では、シングルスで男女それぞれ64人が出場することになります。
オリンピックでは、シングルスに出場する64人が、単純にランキングで上から64人とはなりません。
例えば、女子シングルスでは現在TOP50に9人のアメリカ人女性選手がランクインしていますが、上限である「シングルス最大で4人」の枠を超えているため、ランキングがいくら高くてもオリンピックに出場できない選手がでてしまいます。
その基準となる世界ランキングが冒頭で触れましたが、全仏オープン直後の6月14日時点のATPランキング、WTAランキングです。
この世界ランキングでシングルス上位56位までの選手には各国最大4人などの条件に当てはまり国から選出されれば、シングルスでのオリンピック出場が内定となります。
次に、残りの8人(64枠-上位56人=8人)は、次の3つの方法によって決められるます。
なお、いずれの方法においても、該当選手が世界ランキング300位以内に入っていること、6月14日付のランキングによって参加資格を得ていないこと、そして前述した上限枠を超えていないことが条件となります。
1.コンチネンタル(大陸)競技大会の優勝者
4年に1度、それぞれの大陸で開催される総合競技大会である「パンアメリカン競技大会」、「アジア競技大会」、「アフリカ競技大会」で金メダルを獲得した選手はオリンピック出場資格を得ることが出来ます。
各大会に与えられるオリンピック出場枠は次の通りです。
- パンアメリカン大会からは男女シングルス各2名
- アジア大会・アフリカ大会からは男女シングルス各1名
さらに、地理的な平等性を確保するため、ヨーロッパとオセアニアの両方の国のアスリートに対して、地域ごとに1つの枠があり、1名の選手が別途選ばれます。
3つの大陸競技大会から選ばれた選手が不参加となった場合には、メダルの順によって次点の選手が繰り上げとなります。
ヨーロッパとオセアニアの選ばれた選手が不参加を表明した場合は、それぞれの地域の最もランキングの高い選手が選出されます。
2.金メダリストまたはグランドスラムチャンピオン
過去にシングルスでオリンピック金メダル、またはグランドスラムタイトルを獲得した選手のために、1人分の枠が確保されています。
条件を満たす選手が2人以上いた場合は、金メダルを1つのタイトルとし、獲得タイトル数の多い方が選ばれます。
また、該当者が同じタイトル数だった場合には、6月14日付のランキングが高い方が選ばれます。
3.開催国の選手
開催国の選手がシングルスのドローに参加していない場合は、開催国の最高ランキングの選手に枠が与えられます。
6月14日付のランキングによって既に開催国の選手がシングルスおよびダブルスの参加資格を得ている場合、この枠はランキング全体に従って繰り上げとなります。
ダブルス
続いては、ダブルスの出場資格についてです。
東京オリンピックでは男女ともにダブルスのドローでは32組の枠が設けられます。
シングルスで前述した通り、基準となるのは6月14日のダブルスのランキングです。
32組のうちの31組は上記のダブルスのランキングによって決定し、残りの1組は開催国のペアに与えられます。
まずは、自国から推薦を受けた6月14日付けランキングでトップ10にランクインした選手に資格が与えられます。
ペアを組めるのは同一国の選手同士なので、これらの選手は「シングルスまたはダブルスでTOP300にランクされる自国の選手」とペアを組む必要があります。
各国は各ダブルス種目最大2ペアが出場することができますが、ペアを組む選手二人のランキングの合計が300を超えることはできません。
なお、混合ダブルスについてですが、混合ダブルスのみに出場することは認められず、男女シングルスもしくは男女ダブルスに出場している選手の中から混合ダブルスに出場する組をつくることになります。
また前述の通り、男子種目で最大6選手、女子種目で最大6人の選手しかテニス競技の代表選手に選出することができませんので、その人数の枠内で代表を決めていくことになります。
少しわかりにくい部分もあると思いますが、参加資格、条件については以上になります。
上記は、ITF(国際テニス連盟)の公式ホームページにて公開されていますので、興味のある方は直接HPをご覧ください。→こちら
オリンピック出場を表明した選手
いま説明した基準に照らし、ITF(国際テニス連盟)は資格を与えられたアスリートをリストアップ。
既に該当選手の属する各国オリンピック委員会や各国テニス協会へ、その旨を伝えています。
それをうけて、現在各国、各選手から出場や欠場の意思が続々と表明されています。
選出された選手が出場を辞退(欠場)した場合には、ランキングに基づいて、次に高いランキングの選手に再振り当てされるそうです。
さて、今日(2021年6月29日)までに出場や欠場を表明している選手にはどんな顔ぶれがあるのか?現時点で分かっている選手について、まとめていきます。
男子テニス(シングルス)
- 【1位】ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
- 【2位】ダニール・メドベデフ(ロシア)
- 【4位】ステファノス・チチパス(ギリシャ)
- 【8位】アンドレイ・ルブレフ(ロシア)
- 【15位】アレックス・デミノー(オーストラリア)
- 【23位】カレン・ハチャノフ(ロシア)
- 【26位】ダニエル・エバンズ(イギリス)
- 【29位】アスラン・カラツェフ(ロシア)
- 【56位】西岡良仁(日本)
- 【57位】錦織圭(日本)
- 【60位】ニック・キリオス(オーストラリア)
- 【91位】ジェームズ・ダックワース(オーストラリア)
- 【104位】ダニエル太郎(日本)
- 【119位】アンディ・マレー(イギリス)
女子テニス(シングルス)
- 【1位】アシュリー・バーティ(オーストラリア)
- 【2位】大坂なおみ(日本)
- 【4位】アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)
- 【9位】イガ・シフィオンテク(ポーランド)
- 【14位】ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)
- 【18位】マリア・サッカリ(ギリシャ)
- 【23位】コリ・ガウフ(アメリカ)
- 【31位】ジョアンナ・コンタ(イギリス)
- 【68位】ヘザー・ワトソン(イギリス)
- 【75位】アイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)
- 【83位】土居美咲(日本)
- 【87位】サマンサ・ストーサー(オーストラリア)
オリンピック欠場を表明した選手・国
つづきまして、
国
- 北朝鮮
男子テニス
- ドミニク・ティエム(オーストリア)
- ラファエル・ナダル(スペイン)
- クリスチャン・ガリン(チリ)
- ファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)
- デニス・シャポバロフ(ロシア)
女子テニス
- セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)
- タマラ・ジダンセク(スロベニア)
以上です。
まとめ
いかがでしたか?
「【テニス】東京オリンピック出場選手、欠場選手まとめ。出場資格についても」ということでまとめてきました。
出場資格については、若干ややこしい部分もありますが、もう少しするとすべての種目で出場選手が発表され、ドローも明らかにされることと思います。
また、出場選手の中での注目は日本勢の活躍です。
全仏・ウィンブルドンと出場を辞退した大坂選手はどんなプレーを見せてくれるのか。
また、リオ五輪で銅メダルを獲得した錦織圭選手の活躍も非常に注目があつまります。
そして、なんといっても男子のジョコビッチ選手です。
ジョコビッチ選手は、2021年全豪オープンと全仏オープンで優勝しています。
このまま、続くウィンブルドン、東京オリンピック、全米オープンとすべて優勝すると、年間ゴールデンスラムの達成となります。
もし実際に達成した場合は、男子初の快挙。
これまで男女合わせて唯一達成したのが、シュテフィ・グラフさん、ただ一人。1988年に年間ゴールデンスラムを達成しましたが、後にも先にもこれ一回だけです。
大きな期待がかかりますね。
そして、ジョコビッチ選手がもし最終戦のATPファイナルズをも制した場合、年間スーパースラムの達成となります。
これは今だ誰も成しえたことのない、とてつもない偉業となります。
ジョコビッチ選手にはその可能性が残っているのです。
そんな期待も込めてみると、今年は歴史的な一年になるかもしれませんね。
このページは以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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