ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダルとともにBIG3として世界のトップに君臨し続けているノバク・ジョコビッチ。そのジョコビッチが、かつて体調不良によって棄権を繰り返していたことを知っていますか?
今回は、ジョコビッチが陥った謎の不調と、復活までの経緯。そして、グルテンフリーとの出会いやその前後でどんな変化が起きたのか、という点について、著書「ジョコビッチの生まれ変わる食事~あなたの人生を激変させる14日間プログラム~」と照らし合わせながら、考察していきます。
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」あらすじと感想
あらすじ
ジョコビッチは、2008年初めてのグランドスラム優勝を遂げました。
しかし、その後は思うように結果がでず、いい試合をしたと思えば次の試合を棄権するというようなことが繰り返されました。
ジョコビッチは、状況を打開するために様々なことを試しました。
トレーナーを替える。
新しい練習メニューを試す。
呼吸を楽にするために鼻の手術も受けました。
しかし、事態の根本的な解決とはなりませんでした。
そして迎えた、2010年全豪オープン準々決勝。ジョーウィルフィード・ツォンガと戦った際に、再び発作が起きました。
その試合を、遠くキプロスでTV観戦していた一人のセルビア人栄養学者が居ました。
博士はジョコビッチの身体に起きていることが、喘息ではないことをすぐに見抜きました。そして、食べ物が問題の原因であると。
ジョコビッチは博士の指示のもと、食生活を改善し、世間一般的には健康的とされる「全粒穀物」を徹底的に排除したのです。
感想
個人的にはジョコビッチはあまり好きではない選手でした。
理由は、コート上でラケットを壊したり、プレーで溜まったフラストレーションをボールにぶつけたりすることが目に余るから。
(2020年全米オープンでは、そのボールが線審に当たり、失格となりましたね。正直、超一流選手が何をやっているんだと思いましたよ。)
さて、まぁちゃんは常々「テニスが強い=偉い」と勘違いしている人が大嫌いです。
テニスの試合で勝ったり、強い選手は確かにすごい!だけど、だからといって偉いわけではない。
強い人は注目される立場なのだから、他の人の手本になるような行動をとってほしいと思っていますし、アマチュアプレーヤーであっても、強い人ほど謙虚であってほしいと思っています。
まぁ、そういう理由もあってジョコビッチはどうしても好きになれなかったのですが…。この本を読んで、少し見方がかわりました。
幼いころに母国セルビアでジョコビッチが経験した、悲惨な民族戦争では、弟たちとともに空爆の中逃げまどった話なども赤裸々に記述されていました。
平和な日本で生活している自分には、想像もつかない状況ですし、そんな中でもテニスの情熱を絶やすことはなかったというジョコビッチのテニスへの熱い思いなども胸を打たれました。
また、謎の体調不良を改善するためにいくつものアプローチをしていくのですが、その道のりはまさに雲をつかむような作業だったのではないかと感じました。
私自身はプロ選手として成功してからのジョコビッチしかしらなかったので、ジョコビッチの歩んできた苦労は計り知れないなと感じました。
それでも、コート上でのストレス発散には異を唱えますけどね…(笑)
ジョコビッチの食事本ということで、グルテンフリーを紹介しているのですが、全ての人にグルテンフリーを勧める本ではありません。
体質としてジョコビッチにはグルテンフリーが大切だった、とてもマッチしたという経験談で会って、万人にあてはまるものではないです。
ただ、トップアスリートとして何を、いつどのように食べるのか。食事に関する考え方や姿勢はすごく参考になると思いました。
量より質。そして食事に向かう姿勢。
ストレスでドカ食いしがちな管理人としては、反省しなければいけないと思いました。
(そういいつつ、これを書きながらおやつをつまんでいますけれど…(笑))
ジョコビッチがグルテンフリーを実施したきっかけ
あらすじで前述した通り、ジョコビッチは喘息とよく似た症状に悩まされていました。
試合中に突如体調が悪化することも少なくありませんでした。
それは、喘息の発作のようなもので、身体が重く、息苦しさもあり、試合の途中で突然発生するものでした。
原因は不明。
ライバルたちは、ジョコビッチの不調について「調整不足」や「喘息」と呼んだり、「体調管理ができていない」と心無いことを言われたそうです。
転機となったのは、2010年全豪オープン、対ツォンガ戦での敗戦でした。ジョコビッチ曰く、この時がプロ生活最低の瞬間だったとか。
この試合をテレビで観戦していたのがイゴール・セトジェヴィッチ博士。
彼はジョコビッチの発作を目の当たりにして、これらの不調が「喘息ではない」ことを見抜いたのです。
それは「体内の消化システムの不均衡が原因で、腸内に毒素が発生している」からだと。要するに、植物アレルギーからくる不調だということを。
ジョコビッチのアレルギーは、ずばり「グルテンアレルギー」だったのです。
グルテンとは小麦・大麦・ライ麦などパンに含まれるたんぱく質のことで、ジョコビッチは「グルテン不耐症」というアレルギーだったのだとか。
そこで、ジョコビッチは食生活を改善パンとパスタに別れを告げ、グルテンフリーな食事へと変化させていったのです。
グルテンフリーを実施する前と後、パフォーマンスはどう変わった?
先ほどからお伝えしている2010年全豪オープン準々決勝。対ジョーウィルフィード・ツォンガとの戦いの実際の動画がこちらになります。
ハイライト動画なので、基本的にはナイスショットばかりなのですが、それでも4セット~5セットと試合が進むにつ連れて、ジョコビッチが膝に手をついたり、いつもならおいかけるボールを追えなかったり、肩で息をする様子が見られます。
一方、グルテンフリーに食生活を改善した後に行なわれた、2012年全豪オープン決勝の対ラファエルナダル戦を見てみましょう。ジョコビッチの動きはなめらかで自信に満ち溢れ、試合を完全に支配していますよ。
ジョコビッチの試合結果から見るグルテンフリー前と後
グルテンフリー前(デビュー~2010年)
- グランドスラム優勝1回
- グランドスラム準優勝2回
- ATPファイナルズ優勝1回
- マスターズ優勝5回
- 2008北京オリンピック銅メダル
- 2010デビスカップ優勝
十分な実績に見えますが、全盛期と比べるとまだまだ波があるといったところです。
いい時もあれば悪い時もある。優勝したと思ったら、翌週は一回戦負けといったこともある時期でした。
グルテンフリー後(2011~現在)
- グランドスラム優勝18回
- グランドスラム準優勝8回
- キャリアダブルグランドスラム(グランドスラム4大会をそれぞれ2度以上制覇)
- ATPファイナルズ3連覇(2012~2015)
- マスターズ優勝31回
- ダブルゴールデンマスターズ(マスターズ1000の9大会をそれぞれ2度以上制覇)
- ATPランキング歴代最長1位在位記録保持者
ジョコビッチは2011年、3つのグランドスラム大会(全豪・ウィンブルドン・全米)を制し、12か月間で51戦50勝という圧倒的な記録を挙げました。
世界ランキングは堂々の第1位。
当時世界2位だったビッグ3の一人ラファエル・ナダルに「今まで見た中で最高レベルのテニスだ」と言わしめました。
上記はジョコビッチの達成した記録のほんの一部に過ぎません。まだまだこれから先もさらなるパフォーマンスを見せてくれるでしょう。
グルテンフリーの食生活を行うことで生まれ変わったジョコビッチは、男子プロテニス史上最高の選手になったことは間違いありません。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで「【考察】ジョコビッチ、試合結果からみるグルテンフリー前と後。」ということでおとどけしてきました。
上述の通り、グルテンフリー前も十分素晴らしい戦績をだしていましたが、グルテンフリー後の目覚ましい活躍と比較するとその差は歴然!
著書のタイトルにもある通り、食生活を改善することで生まれ変わったんだと納得せざるをえません。
著書ではグルテンフリーを勧めるわけではなくて、「自分の身体の声に耳を傾けること」「オープンマインドにいろいろ試す」ことの大切さがメインメッセージとなっているように感じました。
健康法というのは一人ひとり違うので、ジョコビッチの例は一つの体験談に過ぎない。何を食べるのか、どうやって食べるのか。自分の身体の声に耳を傾けることが大切ということがわかりました。
また、オープンマインドで一つのやり方に固執しないことは、さまざまな場面で活かせるのではないでしょうか?
グルテンフリーのことだけでなく、ジョコビッチの半生についてもバランスよく書かれているので、興味を持たれた方はぜひ一読してもらいたいと思います。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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