試合直前って、誰もが緊張してしまいますよね。しかし、過度に緊張をしていては、いいプレーはできません。
緊張している人にアドバイスをする場合、どんなアドバイスをしたらいいと思いますか?
今回は管理人の経験談を通して、試合直前のアドバイスについて考えていきたいと思います。
管理人まぁちゃん高校3年の春のこと
先日掃除をしていたところ、母からもらった手紙が出てきました。
それは、私がまだ高校三年生だった頃にもらった手紙でした。
今回は、自分の人生で最も輝いていたと言っても過言ではない、高校3年生の春のことを振り返っていきたいと思います。
インハイ予選ベスト4敗退後の、順位決定戦
しばし、昔話にお付き合いください。
プロフィールを見てくれている方は知っているかと思いますが、管理人は高校生の時に県を代表してシングルスでインターハイに出場しています。
その年、管理人が住む県では
女子シングルスでのインターハイ出場枠は4つでした。
(出場枠は前年度のインターハイ出場者の結果によって枠が決まります)
管理人はインターハイ予選で、順調に勝ち上がり、ベスト4に勝ち残りました。
…が、ここでインターハイが決まったわけではありませんでした。
準決勝を第1シードと戦い、惨敗。
管理人の学年の第1シードは、スーパージュニアにも出場していて、その実力は突出していたので、まぁ負けたのは仕方ない。
この時点では、そこまでメンタルは落ちていませんでした。
準決勝が終わり、定められた休憩の後に決勝戦がはじまりました。
そして、決勝戦と平行して3位決定戦が行われました。
というのも…
インターハイ予選では出場する4人を決定するのと同時に、その4人の選手について1位から4位の順位付けをしなければいけません。
(インターハイ予選での順位は、インターハイのドロー決めに影響すると思われます。※ドロー会議に関係したことはありませんので、あくまで予想ですが…)
ということで、敗退した悔しさに浸る暇もなく、3位決定戦に回りました。
3位決定戦の相手は、ライバル校の主将で個人的には絶対に負けたくない相手。
お互いに準決勝で敗退し、負けたくない気持ちは同じでした。
どちらも譲らぬ展開で接戦となりましたが、最終的にはなかなか調子を戻すことができなかった管理人が敗退。ライバル校の主将に軍配が上がりました。
この結果により、管理人は暫定4位。
…ここで4位としてインターハイに出場が決まれば、メンタルが落ちることなんてないんですけどね。
まだまだまだ、管理人のインターハイ出場は決まらないのです。
実は3位決定戦と時を同じくして、5位~8位決定戦が行われていました。
ベスト8で敗退してしまった4人がトーナメント方式で対戦していたのです。
で、その対戦を経て勝ち上がってきた5位の選手と、4位決定戦を戦うことになります。
そうです、真の4位を決めるということです。
管理人はベスト4に進出しましたが、もし4位決定戦で敗退してしまうと、5位となりインターハイへの出場はできないということなのです。
インターハイ出場がかかった大一番を前に、メンタル崩壊…
準決勝、3位決定戦と3セットマッチを行っていたので、4位決定戦は日を改めて実施されることになりました。
対戦相手は、他校の1年生。
ジュニアの試合は2歳ごとに区切られた年齢別で行われるので、これまで対戦したことはありませんでしたが、シード一覧にいつも名前が載っているので、カテゴリが違いますが名前はよく知っていました。
そのため、完全に名前負け…
ネームバリューにビビりまくっていました。
試合での負け癖ってあるの?負け癖がついている人が陥りがちな思考や、抜け出す方法についても【テニス上達法】
試合当日は、朝から不安で胸いっぱい。
食事もろくにのどを通らず、悪い結果しか想像できません。
メンタル崩壊しパニック状態となった管理人は、ついに号泣してしまいます。
…まぁ、要するに勝ちたかったんですよね。
インターハイに出るのが夢だったので。
それまでは、団体戦で全国大会に出場した経験はありましたが、個人戦での全国大会出場はありませんでした。
ですが、今
目の前には、夢のインターハイ行きのチケットがぶら下がっている。
緊張しないわけがありませんね。
対戦相手は、1年生ながら5~8位決定戦で連勝してきているわけで、勢いがあります。
一方の管理人は、準決勝も3位決定戦も敗退してしまって、勢いの欠片もありません。
「インターハイに出場できる(夢をかなえる)ラストチャンスなのに、負けてしまったらどうしよう」という恐怖心しかありませんでした。
おそらく、そのメンタルでコートに入ったら負けていたでしょうね。
母と兄からもらった、試合直前のアドバイス
そこで、メンタルを立ち直らせてくれたのが、同じくテニスをする兄と母の言葉でした。
5つ上の兄は当時大学4年生。
体育会のテニス部に所属していました。
インターハイ予選に向けて、何度も何度も練習に付き合ってくれていました。
そんな兄からもらったアドバイスは超シンプル。
かっこよさは要らないからとにかく泥臭く。
1球でも多く相手のコートにボールを返そう。
母からは、はじめて手紙をもらいました。
高校最後の試合です。
悔いの残らない試合をしてね。
今まで応援してくれた人たちに恩返しです。
迷ったらセンターに返す。
たまには前に出てボレーをしよう。
自分が苦しい時は相手も苦しいはず。
とにかく我慢のテニスをしよう。
頑張ってね。応援しています。母
あぁ~。思い出して泣きそう。。。
何をすべきか明確に。シンプルに。
試合が怖くて仕方ない状況で、半分パニックになっていた管理人。
今振り返っても、
この時に、二人が与えたくれたアドバイスはベストに近かったのではないかと思っています。
もちろん、アドバイスをくれる人ともらう人の関係性もあるでしょう。
アドバイスを受ける人のメンタルの状況も大きく影響してきます。
その人の実力やプレースタイルにあったアドバイスが一番いいと思います。
それでも、
2人がくれたアドバイスは
シンプル イズ ベストだったと思うのです。
例えば、試合直前に、サーブの打ち方がどうとか、フォアがどうとか、フットワークがどうとか細かいテクニックのアドバイスをされたらどうでしょう。
もうそんな小さいところは、試合が始まってしまえば、なるようにしかならないですよね。
だから、そんなアドバイスはするだけ無駄だし、アドバイスされた方も、ますます不安な気持ちになってしまいます。
メンタルが不安定になりがちなジュニア選手ならなおさらです。
だからこそ、
「試合が始まってから、何をしたらいいのか」
シンプルな提案が届くのです。
とにかく、泥臭く。1球でも多く相手のコートに返す。
どんな打ち方でもいい、どんなフットワークでもいい。
とにかく1球でも多く相手のコートに返す。
このシンプルなメッセージが、その時の管理人にはストンと腹に落ちました。
コートに立って自分が何をするべきなのかが明確になり、気持ちが軽くなりました。
不安がなくなったわけではないけれど、とにかく自分がコートに入って、何をしたらいいのか、やるべきことがハッキリした。
それだけでも、ずっと前向きな気持ちになれました。
悔いの残らない試合を。
応援してくれるみんなへ恩返し。
自分が苦しい時は相手も苦しい。
最後は我慢のテニスをしよう。
このアドバイスは、「試合中に途切れてしまいそうな気持ちを立て直す」という意味で、私自身にとってはとても有効なアドバイスでした。
イージーミスが続いてしまって、ふてくされそうになった時。
相手のナイスショットに、落ち込んでしまった時。
思うように試合が運ばず、イラっとしてしまった時。
普段なら、そこで集中力が途切れてしまうところですが、アドバイスのおかげで、何とか踏ん張ることができました。
相手を考えて、シンプルにアドバイスを送る
この2つのアドバイスについて、
「とにかく我慢のテニスをしろ、なんてただの根性論だ!」
「非科学的なアドバイス」
「1球でも多く相手のコートに返すなんて、ただのミス待ち。かっこ悪い」
など、いろんな意見があるでしょう。
でも、テニスはフィギュアスケートや体操競技のように、素晴らしいショットに対して技術点や加点が与えられる採点競技ではありません。
相手と直接対戦する対人競技です。それも、サッカーのように一点が勝敗を大きく左右するわけではなく、一点一点の積み重ねで、勝敗が決定していきます。
素晴らしいナイスプレーをしても一点。
なんとか返して返して粘って粘ってとっても同じ一点なんです。
カッコいいテニス!そりゃあ、私だってしたかった。
でも、最初から最後までカッコいいテニスを貫いて、試合に勝てると思いますか?
格下の相手ならそれでも良かったでしょうね。
でも、相手と互角の実力があったり、本当に勝ちたい試合では、自分の気持ちの良いプレーばかりでは勝てない。
結局、がまんする部分が少なくないと思うのです。
そして、
自分が苦しい時って、自滅しやすいんだけれど、
自分がくるしいということは同じように相手も苦しいのかもしれないと想像力を働かせて、
もう少し踏ん張ってみるということも大切なのではないかと思います。
アドバイスはノートや紙に書いて
シングルスというのは、自分一人で戦わなければいけません。
ダブルスと違って、ピンチの時に助けてくれるペアはいません。
自分を助けることができるのは自分自身だけ。
だからこそ、テニスノートを役立てましょう!
冷静な時に紙に書いておくことで、試合の時に立て直すヒントとなる場合があります。
私は兄からもらったアドバイスをノートに自分で手書きし、母からもらった手紙とあわせてベンチに広げ、試合を戦いました。
試合中にいろいろな感情が混じっても、チェンジコートでノートや手紙を見返すことで、気持ちをリセットできました。
そして、落ち着いたメンタルで次のゲームに臨むことができましたよ。おすすめです。
まとめ
「試合前のアドバイスはシンプルが一番!直前にメンタル崩壊していても、アドバイスのおかげで勝利した話【ジュニアテニス】」ということでお届けしてきました。
いかがでしたか?
ながながと思い出話をしてきましたが、
試合前のアドバイスは
- なるべくシンプルな言葉で
- 細かいテクニックのアドバイスは試合前はNG
- 試合でやるべきプレーを、明確にしてあげること
- ノートに書いて、ベンチに持ち込む
が大切だと管理人は考えています。
そして気になる4位決定戦の結果ですが、8-4で勝利して、何とかインターハイ行きのチケットをゲットしました。
試合前、自宅ではメンタルがズタボロだった管理人ですが、
もらったアドバイスを実行し、とにかく全部拾って返すことを徹底。
すると相手がもっと厳しいところ狙ってミスしてくれたり、
長いラリーを続けるのを嫌がって打ち急いでくれたり、
最終的には何をしたらいいのかわからなくなっていたようでしたよ。
試合直前のアドバイスについては、以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの参考になれば幸いです。