テニスの基礎知識【初心者向け】

車いすテニスのルールやクラス分け、大会や賞金について【東京オリンピック・パラリンピック】

東京パラリンピックもいよいよ始まりましたね。どのスポーツを観戦するにも、注目選手や基本的なルールがわからないと、おもしろさも半減してしまいます。今ページでは金メダルの可能性も大いにある、車いすテニスについて、ルールやクラス分け、大会などについてまとめます。



ルールを知れば楽しくなる!車いすテニスのルールについて

基本的にはITF(国際テニス連盟)のルールにのっとって競技が行われています。

使用するコートやネットの高さ、ラケットやボールについても、テニスとまったく同じです。

ですが、障害を持っていること、車いすを使用することによってゲーム性が損なわれてしまう部分を考慮し、一部ルールが変更となっています。

「2バウンドルール」~地面に3バウンドする前に打ち返せばよい~

テニスは、2バウンドする前に返球することがルールとなっているので、「ノーバウンド」または「ワンバウンド」で返球することになります。

しかし、車いすでは2バウンドまでは認められていて、3バウンドする前までに返球というルールになっています。

そして、厳密にいえば、1バウンド目がコートに入っていれば、2バウンド目はコート外に落下してもOKです。

覚えておきましょう!

「サーブの直前は必ず停止」~その後ボールを打つ前に車いすをひと漕ぎしてもOK~

サーブは動きの流れの中で打つことは禁止されています。必ず停止した状態から、スタート。

サーブの動きが開始したら、ボールを打つ前に車いすをワンプッシュ動かすことが認められています。

車いすの操作(チェアワーク)も、重要なテクニックの一つというわけです。



車いす操作についてのルール

ボールを打つ際、以下の点は禁止とされています。

  • ブレーキを使うこと(手でブレーキをかけることはOK)
  • 両方の臀部を浮かせて打球すること
  • 足を使ってブレーキや方向転換などの操作をすること
  • 地面に足をつけること

ただし、車輪を使い、車いすを操作できない場合のみ、片足を使用して操作することが認められています。

車いすは体の一部

車いすテニスでは、車いすは体の一部とみなして、選手の体に関するルールが車いすにも適用されます。

たとえば、車いすにボールが触れてしまうと失点となります。

 

 

※なお、パラリンピックは3セットマッチで戦われます。3セット中、2セット取った選手が勝ちです。



車いすのクラス分けは3つ!「男子」「女子」「クワード」

大会では性別や障害の種類や程度によって分けられた「男子」「女子」「クアード」という3つのクラスごとに試合が行われます。

種目については「男子シングルス」「女子シングルス」「クァードシングルス」「男子ダブルス」「女子ダブルス」「クァードダブルス」となります。

「男子」「女子」

下肢に障害があって、車いすを使用する「男子選手」または「女子選手」のクラスです。

脊髄損傷、下肢切断など障害の種類は様々ですが、ひとまとめのクラスとなっています。

「クァード」

英語で4肢麻痺を意味する「Quadriplegia」の略称。

下肢だけでなく、上肢にも障害のある、障害が重い選手が出場するクラスです。

男女混合で試合が行われます。クァードダブルスは男女のペアもOK。

握力を補うために、ラケットと手をテープで巻き、固定することが認められています。

また、車いすの操作が難しい選手は、電動車いすを使用してプレーすることも。

また、障害で体温調節が困難なため、大会側はクァード選手にシェードと氷入りのバケツを準備することが義務づけられているのだそうですよ。

 



車いすテニスはどんな大会があるの?賞金は?

ITFが公認している大会は世界中に150を超える大会があります。公認大会ではポイントを取得することが可能で、そのポイントによりランキングが決まっていきます。

車いす大会のグレードは6段階に分かれていて、グレードは賞金総額やホスピタリティ(ホテルのレベルや食事レベルやそれらが無料でついているか)で決定されます。

  1. 「グランドスラム」全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン
  2. 「スーパーシリーズ」ジャパンオープンなど
  3. 「ITF1」
  4. 「ITF2」(←ここまでが世界のトップ選手がよく出場する大会)
  5. 「ITF3」(トップ10の選手は年間1試合までしか出場を許可されていない)
  6. 「フューチャーズ」(世界ランキングトップ10の選手は出場が認められていない)

さらに年末に「マスターズ大会」が開催されています。シングルスマスターズに出場できるのは世界ランキング上位8選手、クアードクラスはトップ4の選手です。

 

 

賞金についてですが、グランドスラムの一つである、全豪オープンで優勝すると、賞金は約600万円とされています。

グランドスラム大会は、多少の差はあると思いますが、賞金は同程度だと思われます。

その下の「スーパーシリーズ」や「ITF1~3」では、もっと少額になりますので、なかなか厳しい世界だなぁと思います。

テニスはグランドスラムで優勝すると賞金3億円など言われていますから、ものすごい格差がありますね。



車いすテニスとユニクロの関係

日本の企業であるユニクロと、車いすテニスでは実は深い関係があるのをご存じですか?

ユニクロはITFが主催す車いすテニスツアーの「タイトルスポンサー」として2014年からスポンサー契約を結んでいるんです。

世界40か国以上で、150大会以上が開催されている車いすテニスの大会が、ユニクロの社名を冠した「ユニクロ車いすテニスツアー」として開催されているのです。

世界ランキングの名称も「ユニクロ車いすテニスツアーランキング」といいます。

世界ランキングのタイトルに企業名が入るというのはなんとも不思議な感じがします。

2021年までの契約となっており、その後は未定です。

しかし、テニスプレイヤーのロジャー・フェデラー選手や錦織圭選手、またプロ車いすテニスプレイヤーの国枝慎吾選手やゴードン・リード選手と契約を結ぶユニクロ。

「当社はテニスと深いかかわりのある競技」とユニクロの会長である柳井氏も発言していますし、今後もテニスの普及促進に貢献してくれることを期待したいと思います。

 



まとめ

いかがでしたか?

ここまで車いすテニスのルールについてみてきました。

大きく違う点としては2バウンドルールがありましたね!

しかし、男子に関しては最近、全体的に競技力が上がってきていて、1バウンドでの返球も普通に見られます。

逆に、1バウンドで返球すると見せかけて、2バウンド目で打つという、フェイントをしかけるなんてことも。

また、ボールを打つときは車いすから臀部を浮かせることは禁止されているので、相手選手の頭上を越す絶妙なロブを打つ作戦も見られます。

このような、車いすならではの駆け引きも見どころの一つですね。

夏には東京パラリンピックが開催されます。

男子の国枝慎吾選手や女子の上地結衣選手など、車いすテニスは金メダルの期待がかかる競技でもあります。

このページで学んだことを頭に入れて、ぜひパラリンピックで車いすテニスを応援しましょう!

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