このページではテニスの基本であるコートの広さについて解説していきます。普段の練習をする際にはあまり気にすることのないコートの広さですが、しっかりとコートのサイズはルールで決まっています。またコートの規格は同じでも、素材が違えば特徴も異なります。そんなコートの種類についても最後にまとめてありますので、初心者の方や東京オリンピックで初めてテニスを観戦する方は、勉強と思ってぜひ一読してみてください。
テニスコートのラインの名称について
テニスコートにはシングルスコートとダブルスコートがあります。
一般的には、上の画像のように、テニスコート一面でシングルスコートもダブルスコートもラインが引いてあり、どちらでも使用できる形になっています。
さて、ラインの呼び方について見ていきましょう。
長方形の短い辺が「ベースライン」。長い辺は二本あって、外側を「ダブルスサイドライン」、内側を「シングルスサイドライン」と呼びます。
シングルスとダブルスのサイドラインの間の細長いエリアを「アレー(アレーコート)」と呼びます。
ベースラインの真ん中にちょこんと飛び出ているのが「センターマーク」。ベースラインと平行にひかれた線が「サービスライン」です。
サービスラインから垂直に伸びていて、サイドラインと平行な線が「センターサービスライン」です。
これらはとくに名前を知らなくても支障はありませんが、知っていたほうがスムーズな場合があります。
例えば、テニスを習うときに、コーチから「ベースラインに二列に並んでください」「シングルスのサイドラインを狙ってみましょう」など指示がある場面。
知らなくてもなんてことはありませんが、同じレッスンを受講していても名称を覚えているのといないとで差が出てしまいますよね。
また、ダブルスの試合の際、ペアで作戦を立てるときに「センターにサービスを打つね」「サイド狙うね」という会話が成立します。
テニス用語がわかるようになって、会話の中でも使えるようになると少しうまい人の仲間入りをした気分になりませんか?
あまり、難しいものではありませんので、ぜひ覚えてみてくださいね。
テニスコートのサイズや面積、ネットの高さについて
テニスコートのラインの名前はわかりましたね。
ここからはコートの大きさや面積、ネットの高さについて見ていきます。
大きさについて解説する前に、まずはラインの幅について見ていきます。
テニスコートのラインの幅はルールで決まっていて、センターマークとセンターサービスラインは「幅5cm」、ベースラインは「幅10cm以下」、それ以外のラインは「幅2.5cm~5cm以下」となっています。
そして、テニスコートの大きさをはかるときは、ラインの外側を起点にして外側まで測ります。だから、ライン上は「イン」の判定になるんですね。
それでは具体的にサイズを見ていきます。
テニスコートの長い辺は23.77メートル(26ヤード)。
短い辺はシングルスとダブルスで異なります。
シングルスは8.23メートル(9ヤード)
ダブルスは10.97メートル(12ヤード)です。
面積についてです。
シングルスは8.23×23.77で195.63㎡
ダブルスは10.97×23.77で260.76㎡
コートの長さが細かい数字で覚えにくい!どうして?
コートの長さですが、メートル表記だと細かくって非常にわかりずらいですよね。なんでこんなことになっているのでしょうか?
実は日本人にとっては馴染み深いメートル表記ですが、テニスコートの寸法はヤードが基準で決められてきました。
上の図でかっこ書きしているのですが、ヤード表記だと正数で分かりやすいかと思います。
シングルスコートはベースラインの長さが「9ヤード」。
ダブルスはそこからさらにアレーコートを1.5ヤードずつつけて「12ヤード」。
サービスラインからエンドラインが「6ヤード」、
サービスラインからネットが「7ヤード」という具合に。
ちなみに1ヤードは0.914mです。
ネットのセンターの一番低いところの高さも1ヤードです。(両端のポストのところでネットの高さは1.07m。両端が高く、ネット中央に向かって低くなっています。)
ダブルスのサイドラインから、ネットのポールまでも1ヤード。
シングルススティックを立てる位置は、シングルスのサイドラインから1ヤードのところに立てます。
どうですか?ヤードで考えると非常にシンプルですよね。
ちなみにヤードという単位は、体を使った単位で、手の指の先から鼻先までの距離だそうです。
細かい数字はなかなか難しくて覚えられないかもしれませんが、テニスはヤードが基準になっているということを頭の隅っこに覚えておいてください。
テニスコートの種類について
テニスコートの大きさについてはわかりましたね。
テニスコートは先にご紹介した通り規格が決まっていますが、規格が同じでもさまざまな材質のコートが存在します。
そして、材質によって異なる特徴をもっているので、プレーするときはもちろん、試合の観戦をする際にも注目してみると面白いですね。
今回は「ハードコート」、「クレーコート」、「オムニコート(砂入り人工芝)」、「グラスコート(天然芝)」「カーペットコート」の5のコートについて、材質や特徴をご紹介していきます。
ハードコートの特徴
グランドスラムの全豪オープン、全米オープンで採用されているのが、ハードコートです。ノバク・ジョコビッチや錦織圭、大坂なおみが得意とするのがハードコートです。
ハードコートは世界で最も一般的に使用されているコートです。
主な素材はセメントとアスファルト。その上にさらにコーティングしていくのですが、コーティングする素材によって、球足も速くなったり、遅くなったりということがあります。
一般的には、硬いコートなので比較的球足が速く、ボールが高く跳ねやすいと言えます。平坦に作っていますので、クレーコートやグラスコートと異なり、イレギュラーなバウンドはほとんどありません。
乾くのは比較的早いので、雨が上がれば短い時間でプレーを再開することが出来ます。
クレーコートの特徴
グランドスラムの全仏オープンで採用されているのがクレーコートです。ラファエル・ナダルやドミニク・ティエムが得意にしているコートです。
クレーコートは、土でできたコートです。
日本では一般的に粘土質の土の上に砂を巻いたものが多いですが、全仏ではアンツーカーコートと呼ばれる、レンガを砕いて作った赤土を使用しています。
他のコートと比較すると、球足が遅いのが特徴。また、土のコートなので、試合の中で土が削れたりします。イレギュラーなバウンドが発生します。
また、雨が降ってしまうとすぐには使用することができません。雨にも乾燥にも弱いので、日常的なメンテナンスに手間がかかるコートと言えます。
日本の中学校、高校などはクレーコートが多いです。管理人も学生時代はクレーコートの学校だったので、雨の後はコート整備が大変でした。
同じような経験をもつ方もおられるのではないでしょうか?
オムニコート(砂入り人工芝コート)
オムニコートは人工芝を敷き詰めたコートです。日本では公営コートなどはオムニコートが主流です。
バウンド後にボールのスピードが落ちやすいので、ラリーが続きやすいです。また、足腰への負担が少ないことも特徴と言えるでしょう。
また、非常に乾くのが速く、多少の雨でもプレーを続行することができたり、雨天後も短時間でプレーが再開できるコートです。
グラスコート(天然芝コート)
グランドスラムのウィンブルドンで採用されているのがグラスコート(天然芝コート)です。芝の王者と聞いたことがあると思いますが、ロジャー・フェデラーが得意とするコートです。
もっとも球足が速く、バウンドも低く、不規則な変化をするので、サーブ&ボレーを得意とする選手に向いています。
芝の維持管理にとても手間がかかるので、日本ではほとんどグラスコートはありません。
管理人も天然芝のコートではプレーしたことがありません。テニスをしているものとして、一度プレーしてみたいコートですね。
カーペットコート
屋内練習場、インドアテニススクールなどでよく採用されているのが、カーペットコートです。
絨毯のような素材のカーペットを敷き詰めたコートになります。
維持管理に手間がかからず、球足が速いのが特徴です。
カーペットコートでは、靴底に溝がないツルツルのテニスシューズを使用します。
アウトコートで使うようなシューズでプレーすると、カーペットにひっかかり、怪我をする恐れがありますので、必ずカーペット専用のシューズを使用するようにしましょう。
5つのコートについて解説してきました。コートによってさまざまな特徴があることがわかっていただけたでしょうか?
テニスをしている人にすればあたりまえのことですが、テニス経験がなかったり、経験が浅い人からするとはじめて知ることも多かったのではないかと思います。
各コートの説明でも触れましたが、コートサーフェスによって得意とする選手が違いましたよね。コートの特性が異なるので、得意な選手もかわってくるのです。
四大大会制覇は難しいと言われますが、それはハードコート、クレーコート、グラスコートとコートサーフェスが異なるという点が大きく関係しています。
得意不得意を乗り越えて、戦って勝ち残れなければグランドスラムのタイトルをとることはできないのです。四大大会を制覇するということがいかに難しいことかわかりますね。
まとめ
いかがでしたか?
このページではテニスコートのラインの名前、サイズ、面積、ネットの高さ、コートの種類について説明してきました。
テニスを始めたばかりの方や、観戦するだけの方はなかなかなじみのない内容かもしれませんが、これを機に覚えていただいて、テニスの練習や観戦の際に役立たせていただければ幸いです。
そして、もしコートに立つことがあれば、その時はコートサイズを改めて感じてみましょう!