なじみのない方には少し難しく感じるかもしれませんが、テニスのルールは一度覚えてしまえば簡単です。
オリンピックまでに、ぜひこのページで事前学習をして準備を整えましょう!
テニスのルールとは
テニスには公式ルールブックがあります。これから説明するルールは、ルールブックに則って決められているものになります。
2005年までは「コートの友」という名前で親しまれてきましたが、現在は「JTAルールブック」というタイトルになっています。
国際テニス連盟(ITF。グランドスラムを主催している団体)のテニス規則および諸規則が記載されています。
内容は「ルールオブテニス」「ルールオブビーチテニス」「試合で起こるQ&A」「ランキング関連規則」など。
一般発売価格は1600円で日本テニス協会、または最新版は以下のサイトで購入することができます。
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一から学んでみたい方は一読するといいかもしれません。
テニスの試合の種類について
さて、ここからはテニスの試合について具体的に解説していきます。
テニスの試合には大きく分けて2つの種類があります。
【シングルス】
- 1対1で戦う試合のこと。
- 性別毎に男子シングルス、女子シングルスという種目にわかれています。
【ダブルス】
- 2対2で戦う試合のこと。
- シングルスと同様に性別ごとにわかれた男子ダブルス、女子ダブルスという種目があります。
- さらに混合ダブルス(Mixダブルス)といって、男女ペアで戦うダブルスがあります。
テニスの試合の進め方と得点や失点の仕方について
テニスは「決められたコート内で、ネットを越して相手と打ち合い、得点を積み重ねていく」スポーツです。
試合の進め方は次の通り。
【1】試合を始める前にトスを行います。
テレビで審判がコインを投げて、選択権を得たプレイヤーがサーブかレシーブかコートを選択する場面をみたことがありませんか?
テニスではサーブ側が有利とされていますが、サーブを得意とする選手、レシーブを得意とする選手、身体が温まってから得意のサーブを打ちたいと考える選手いろいろですので、ここからすでに駆け引きがはじまっているとかんがえてよいでしょう。
(プロの大会ではコイントスが行われますが、一般プレイヤーの試合ではラケットを回してトスをおこない、選択権を決定します)
【2】サーバー側(サーブを打つ人)、レシーバー側(サーブを返球する人)にわかれて試合がスタートします。
テニスの試合はサーブを打つところからはじまります。サーバーがサービス2本のうちの1本をネットを超えて相手コートの斜めにあるサービスボックスに入れます。
サーブを2本とも失敗(ダブルフォルト)すると、レシーバーの得点となってしまうので注意が必要です。
【3】サーブ後、どちらかが得点をとるまでボールを打ち合います。
基本のルールは「相手が打ったボールを、ワンバウンド以内で相手コートに打ち返す」「ネットの上を超えて、ボールを打ち返す」「相手側のコートでバウンドするようにボールを打ち返す」ということです。
得点や失点の方法には次のようなものがあります。
- 2バウンド以上してしまった(ノットアップ)→相手の得点
- サービスが二本ともサービスボックスに入らない(ダブルフォルト)→相手の得点
- ネットにボールがかかってしまった(ネット)→相手の得点
- 相手コート内にバウンドさせられない(アウト)→相手の得点
- 相手のボールがネットを超える前に、ボールに触ってしまった(オーバーネット)→相手の得点
- ウェアや帽子、シューズにボールが当たった→相手の得点
- ラケットやウェア、その他身に着けているものがネットに触れてしまった(タッチネット)→相手の得点
- ボールがラインに少しでも触れていれば「イン(有効)」です。すみやかにボールを打ち返します。打ち返せなければ相手の得点です。
- 打ったボールがネットに触れてから、相手コートに落ちることがあります(コードボールまたはネットイン)が、こちらも「イン(有効)」です。コードボールを返せなければ、相手の得点です。
【4】「ポイント」を積み重ねて、「ゲーム」という単位を一定数取り、「セット」という単位を獲得することで勝敗がきまっていきます。
プロの大会では3セットマッチや、5セットマッチで試合が行われます。
3セットマッチは「先に2セット取った方が勝ち」、5セットマッチは「先に3セット取った方が勝ち」です。
現在、5セットマッチを採用しているのは、グランドスラムの男子シングルスや国別対抗戦のデビスカップくらいで、その他の大会は、オリンピックも含めて概ね3セットマッチで戦われています。
【5】最終的な勝敗が決まったら、最後は握手してお互いの健闘を称えあいます。
得点の数え方とゲームの進め方について
さきほど、「ポイント」を積み重ねて、「ゲーム」という単位を一定数取り、「セット」という単位を獲得することで勝敗がきまっていくということをお伝えしました。
ここからは得点の数え方やゲームの進め方に関連して重要な、3つのキーワードについて整理していきましょう。
【ポイント】
- 1プレーで獲得できる点数を「ポイント」と呼びます。
- 1ポイント入るとスコアボードには「15」が、2ポイント入ると「30」が、3ポイント入ると「40」が表示されます。相手に2ポイント差をつけて4ポイントとれば「ゲーム」になります。(※1)
- お互いに3ポイントずつ取り合って「40-40」となったら「デュース」です。「デュース」になったら、そこから2ポイント連続で得点するまで続きます。
- 「デュース」から一ポイント取ると「アドバンテージ」となります。コールの仕方は「アドバンテージ○○(名前)」、スコアボードでは「40-A」と表示されます。この時の「A」はアドバンテージの略です。
- アドバンテージのあと連続してポイントできれば「ゲーム」です。
- 連続してポイントできずにもう一方の選手が得点した場合は「デュース」にもどります。いずれかの選手が2ポイント連続で得点するまで「デュース」何度も繰り返します。
※1ポイントの数え方
ポイントの数え方は、時計をイメージすると覚えやすいです。
12時を「0」とみて、1ポイント入るごとに、15分ごとに進みます。
0ポイントは「0」→「ラブ」とカウントをコールします。
1ポイントは「15」→「フィフティーン」
2ポイントは「30」→「サーティ」
3ポイントは「40」→「フォーティ」★
4ポイント獲ると一周回ってゲーム。「0」に戻ります。
★時計の周りで行くと3ポイント獲ったら45ですよね。しかしテニスでは、「40」となります!諸説ありますが45だとフォーティファイブとなり、コールする際に長いからとか違うとか…
☆ポイントのコール(宣告)は常にサーバー側を先に言います。
「30-0(サーティラブ)」はサーブ側が2点、レシーブ側が0点という意味です。
【ゲーム】
- ポイントを繰り返し、どちらかが4ポイント先取りするか、デュースから2ポイント先取りしたら、選手は「ゲーム」を獲得することができます。
- 1ゲームの間は一人がずっとサーブを続けます。ゲームが終わると同時にサーブが交代となります。
- いずれかの選手が「ゲーム」を獲得すると、ゲームカウントが1-0となり、2ゲーム目に入ります。カウントは0ポイントから再びはじまります。
- さらにポイントを繰り返し、同じ選手が「ゲーム」獲得するとゲームカウントは2-0。もし、2ゲーム目を別の選手が獲得するとゲームカウントは1-1となります。
- 奇数ゲーム(1,3,5,7…)終了後には、チェンジコートをします。コートチェンジとも言いますが、意味は同じで、ネットの反対側に移動してプレーすることです。
アウトドアのコートでは風向き(風上や風下)や太陽の位置によってまぶしさがかわります。コートを2ゲーム毎にチェンジすることで、同じ条件で戦うことができるように配慮されているのです。
【セット】
- ポイントを積み重ねて、ゲームを取り合い、どちらかが相手に2ゲーム以上差をつけて6ゲーム取ると、その選手は「セット」の勝者となります。(5-5になった場合は7ゲーム獲ったらセット獲得)
- ゲーム数が6-6となった場合は「タイブレーク(※2)」となります。
- どちらかがセットを獲ると、セットカウントが1-0となり、ゲームカウントはまた0-0から再スタートします。
※2「タイブレーク」とは?
試合時間を短縮するためのルールで、ゲームが6-6になったときに行う試合方式のことです。
タイブレークでは、先に7点取った方がセットを獲得できます。ただしポイントが6-6となった場合は、2ポイント差がつくまでポイントを続けます。2ポイント差がつかない場合は、差がつくまで続きます。
サービスの交代が少しややこしいので説明しますが、直前のゲームでレシーブだったプレーヤーが、タイブレークの最初のポイントでサーブを打ちます(右側から)。
2ポイント目(左側から)~3ポイント目(右側から)は、相手プレーヤーがサーブ。そこからは2ポイントずつ(左から→右からの順で)サーブを交代しながらポイントを進めていきます。
タイブレークに入って6ポイント終えたら、コートチェンジです。
タイブレークで、相手サーブの時にレシーバーがポイントを獲得することを「ミニブレーク」といいます。
「ポイント」「ゲーム」「セット」という三つのキーワード、ご理解いただけましたか?
テニスの試合をみていると、いったい今どっちがかっているのか?いつになったら終わるのか、いまいちよくわかりませんよね。
テニスの試合は、相手より先に2セットをとる(5セットマッチの場合は3セットをとる)と決着します。それまでは、お互いにひたすらポイントの積み重ねです。
試合時間に決まりはありません。選手の勝敗が決まるまでには、非常に多くの時間を要します。
極端な例にはなりますが、テニスの最長試合時間は2010年ウィンブルドンで行われた試合で決着がつくまでに11時間5分という時間がかかりました。
テニスは試合を観戦する観客にとっても、忍耐力の必要なスポーツともいえるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
このページではテニスのルールについて説明してきました。
ここまで読んでいただけた方はお分かりいただけたと思いますが、テニスの試合では、単純に相手よりも多く得点をとれば勝てるというわけではありません。
「ポイント」を積み重ねて、「ゲーム」という単位を一定数取り、「セット」という単位を獲得することで勝敗がきまっていきます。
細かいルールはいろいろありますが、これを押さえておけば十分テニス観戦を楽しむことが出来るのではないでしょうか?
まもなく東京オリンピックが開催されますね。
試合を現地で観戦する方、テレビの前で観戦する方いろいろだと思いますが、ぜひこのページでお伝えしたことを頭に入れて、プロの試合をみてみてください。
ルールが分かると、テニスってとても面白いスポーツですよ。